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土井先生が土井先生になる前(「土井半助」になる前)って本人の望まないまま奪う側にさせられて、自分でなにかを選び取ったり決めたりすることができるなんて思いもしなかったかもしれない。自分には人生を選ぶ権利はないと、こんな世に生まれてきたからしようがないのだと言い聞かせて、どっかで生きることそのものを諦めてた部分もあったかもしれない。そういうおとなたちしかいなかったし、そのころ歩いてた道以外をしらない。山田先生のところに身を寄せて、人生の選択肢が自分にもあるってわかった。自分で選んでいいんだ、決めていいんだな、って思えた。人としてあたりまえに尊重されるよろこびを知った。

「一緒に帰るの段」で、きり丸と一緒に帰るために仕事終わらすぞ!ってがんばる土井先生、これまでの人生にない経験をしているんだなあと思うと、なんだか、じいん、としちゃった。あなたはもう与える側の大人なんだね、と思った。きり丸にとっての土井先生の存在がとても大きいのと同じくらい、土井先生にとってもきり丸の存在って大きいんだね。

#落乱

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