Don't pray,praying will fill your hands.
No.33
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No.33
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貴方はカクイザで『しゃらっぷ、きすみー!』をお題にして140文字SSを書いてください。
#shindanmaker
https://shindanmaker.com/375517
ケホッ、ケホンッ。ドアの向こうから控えめな咳が聞こえるたび、鶴蝶は不安でつい寝室の前まで歩いていってしまう。ドアの向こうには熱っぽい体を毛布に包んだイザナがいて、いつになく弱っている彼の姿は容易に想像できるのに、ドアノブに伸ばした手は宙をさ迷った末に元の位置――大腿の横へと戻るしかないのだった。
喉が痛い、とイザナが言ったのは昨夜のことだ。ケホッ。と乾いた空咳を数回したので、鶴蝶は思わずイザナの額に手を当てた。いつもなら振り払われているはずが、イザナはめずらしくおとなしかった。彼の額からじんわりと、普段より高い体温がてのひらに伝わってくる。
「少し熱がある」
ん、と喉を鳴らしてイザナは上目で鶴蝶を見た。よくよく観察すれば頬はほのかに赤く、まぶたは重たそうに落ちかけている。
「風邪かもしれねぇな」
最近急に寒くなってきたしな。鶴蝶はそう言って、自身が着ていたパーカーを脱ぐとイザナの肩にかけた。
「風邪なんてひかねぇよ」
パーカーの裾を掴んでいじけた子どものようにイザナは言う。その声にはいつもの覇気がなく、いかにも調子を崩していることがわかった。
ケホッ、ケホッと立て続けに咳をするイザナの背中を撫でさすり、「今日はもう休め」と寝室の戸を顎で示した。
「……へいきだって」
「だめだ、ほら」
手を引っ張って立たせ、促すと、イザナは唇を尖らせながらもすなおに寝室に向かった。
イザナの手はあつく、指さきは乾燥していた。ぎゅ、と握ると握り返してくるその力は弱く、いつも見せる気丈さが今夜はない。
「鶴蝶」
畳む
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はよつづき書きたい。
#進捗どうですか