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#掌篇 #D #涼啓
ぎゅっ、と。音が聞こえそうなほどきつくきつく結ばれた唇が、酸素を求めて薄くひらかれるのを見た。同時に、目のふちからこぼれ落ちた大粒の涙が、夕日を照り返した一瞬のきらめきも。夕日の茜色が頬にななめに差していた。
啓介の泣き顔を見るのはずい分ひさしぶりな気がして、涼介はかけるべき言葉を見失う。いつのまにか聳えていた高い壁は、啓介の姿を容赦なく覆い、十代のこころでは処理しきれないあらゆる感情をかれに抱えこませた。その腕を掴むことはできたはず、だのに、かれの頑なさが兄を全力で拒んだから、涼介も一定の距離を保つことを選んだ。それが結果、正しい判断であったのかはわからないけれど、今、泣く弟を前にして立ち竦むしかできないじぶんには、おそらくなにを施しても無駄だった――そんな徒労感を涼介に味わせた。
胸が締めつけられて、ひどく、とてもひどく、痛んだ。かすかに眉を顰めると、啓介はますますつらそうな表情になって、
「ごめん」
喉の奥から声を振り絞った。鼻を啜って、手の甲で横柄に目もとを拭う。くそっ、くそっ、と悪態をつきながら、あふれて止まらない涙をどうにか体内に押し留めようとしているようすが、涼介にはかわいそうに見えた。
腕を伸ばして、じぶんよりわずかに薄い肩に触れてみる。啓介の体がにわかに強張って、しかし、抵抗はなかった。涼介の力に身を任せるようにして、腕の中に体を沈めてゆく。泣いたせいで上がった体温を感じて、それは子どもの頃の啓介の甘い体温を思い出させた。
ごめん、と、啓介は涼介の肩に顔を押しつけて、言った。――アニキを傷つけた。ごめん。弟の、金色に染まった髪の毛に手を入れる。傷んだ髪を指のひらで撫で、大丈夫、と涼介は言った。
「オレはおまえの味方だから」
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(弟は兄を傷つけて、兄もまた弟を傷つけていた日々のこと)
(啓介がむかし(ぐれてた頃)、兄を傷つけたっておもってぽろぽろ泣いちゃうの、ただの妄想なんですけど、まるで見てきたかのように妄想できてしまう。ほんとうに、ぜんぜん妄想なんですけど‥。)
いちにちのうちに最低2時間は読書する時間を確保したいんだけど、なかなかどうしてむつかしい。そんな忙しいわけでもぜんぜんないのにおかしいな?って首を傾げている。
いちにちの時間割みたいなのは朝にだいたい決めておいているんですけど、2時間集中して読むのではなく30分ごとに区切るやり方をしているせいかな?って思ってもいます。でも過集中になりがちで体調に響いてくるのでこの自己流ポモロード式は合ってる気がする‥。
さいきんやりたいこととやらなければならないことがぎゅっと詰まりすぎていて、右往左往してる感じもあり。一旦このあたりで落ちついたほうがよいように思います。なんか勝手に忙しがってるだけな気もするし‥(かなしい)
それにしても仕事以外に、生活を維持するためにやらなければいけないことって多すぎませんか‥? おもに朝と夜‥
その対象が小説でも映画でもなんでも、創作された何かしらを摂取した感想を、じぶんなりの言葉で表現するってとてもたいせつなことで、疎かにしてはいけないな、とさいきんとみに思います。わたしはカッコつけなので、上手い表現ができないな〜って思ったらもう感想を書いたり考えたりするのを諦めてしまうのですが、それはすごくよくないし、もったいないなとも思うのです。
読んだり観たりした直後の感動や心が動いた瞬間のこと、ちゃんと書き留めておきたい。
ここ数年読んだ本も観た映画も、どこかにアーカイブするということをしていなくて、あれっていつ読んだんだっけ?そもそも読んだっけ?がわからなくて歯痒い思いをすることが増えました。せっかく得たものが体のあちこちからこぼれ落ちていっている感じがして、それはとても惜しい。
個人的なアーカイブに過ぎませんが、そういうのを保管するブログみたいなものをてがろぐさんでつくってみていて、いい感じに整えられたらこのサイトからもリンクを貼りたいなと思っています。
あふれてくる想いは放出するべき。
わたしシステム手帖がすきなのですけど、システム手帖の最小サイズでM5(Micro5/マイクロファイブ)サイズというものがありまして、そのM5よりまた一回りちいちゃくて。手帖に挟んでお守りみたいにできそうだな〜なんて思っちゃいました。なんてすてきなんだ〜‥感動しています‥。
A7サイズは折本ならではかな?と思うので(豆本をつくってくださる印刷所さんもありますが)、できればA7サイズで、短いお話とか、ちょこちょこまとめてみたい。
短歌も相性いいだろうな〜 短歌折本とかいいな。つくりたいです。
(ちなみに今回はお試しで雰囲気だけ掴みたかったので、ツールをお借りして作成しました。制作環境がととのったら自力でも試してみたいぞ〜)
お守りということで、お守りっぽい装丁にしてもおもしろいかもね〜。楽しいねぇ。
#折本
memo